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ステンドグラスの種類や製作方法、ステンドグラスの切り出しや組み付けに使う道具や材料について

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ステンドグラスについて

長い歴史を持つガラス工芸のひとつであるステンドグラスは、色のついたガラスピースを鉛でつなぎ合わせ、さまざまな形にしたものを指し、窓やランプのカサなどに用いられます。
美しい色調や光、繊細な模様など、人々をとりこにする魅力があります。代表的なものは、中世の教会や大聖堂にはめ込まれている窓ガラスで主に教会美術として発展しました。
教会の装飾にステンドグラスが本格的に用いられるようになったのは、12世紀のロマネスク時代と言われています。当時は主にガラスを円筒形に吹いたものを切り開いて板ガラスを作り、それをカットしたピースをつなぎ合わせていました。

建築用の大きなものは、H型やU型の鉛の桟にステンドグラスをはめ、はんだでとめて作ります。
鉛の桟を用いるのとは別に、銅を薄いテープ状にしたものをガラスピースの断面に巻き、ハンダでとめて組み立てる技法もあります(ティファニー方式)。ランプの傘などの小さいものや立体的なものを作る際に使われます。


ステンドグラスの種類

マーブル模様のステンドグラスクリアブルーのステンドグラスクリアグリーンのステンドグラス

美しい色合いや模様、凹凸などが魅力のステンドグラスは、大きく以下の3種類に分類できます。

オパールセント

乳白色と他の色が混じり合った半透明〜不透明の大理石のようなマーブル模様が特徴的な乳濁化ガラスです。原料に、乳濁剤としてリン灰石などを加えて作ります。
表側から光をあてたときは、ガラス表面に出ている色しか見えませんが、バックライトを当てるとガラスが透けて、すべての色が混じりあって複雑で美しい表情を見せます。

キャセドラルガラス

溶けたガラスを、2本のローラーで均一の厚さに加工したガラス板です(ロールアウト法)。
ローラーに型模様を刻んでおくことにより、ガラス面にその模様をプリントできます。また、ガラス素地に色の異なるガラスを混ぜて成形することで、さまざまな色の模様が入ったガラス板も作ることができます。ガラス板表面の型模様だけでなく、素地の色模様も重なって多種多様なものが存在します。
大規模な生産ができるため、価格も安価で入手しやすいガラス板です。

アンティークガラス

手製の吹きガラスです。名前は作り方に由来したもので、ガラス自体の古さに由来したものではありません。
作り方は、管の先に溶けたガラスを巻取り、息を吹き込んでガラスをシリンダー状に膨らませます。膨らんだシリンダー状のガラスを1枚の板状に切り出して、熱を加えて平らにしたハンドメイドのガラスです。円筒法と呼ばれ、現在でもこの方法で作られています。
当然一枚ごとに、厚みの不均一さや平滑さ、素地むらなどが異なり、小さな気泡も含んでいて手作りの趣にあふれています。
アンティークガラスは、以下のようにさらに細かく分類されます。
フルアンティーク:小泡を含むもの
フラッシュド:色の異なるガラスを被せ2層からなるもの(被せガラス)
クラックル:ガラスの冷却時に入ったひび模様があるもの
シーディー:特に泡を多く含むもの
ストリーキー:色むらを生かした、しま模様を持つもの
リーミー:すじ状の模様を持つもの


ガラスカッターについて

ガラスカッターガラスカッター先端部のローラーカッティングオイル

ステンドグラスを切り出すには表面に傷を入れ、その部分を軽くたたいたり曲げたりして割ります。切り出すというよりは、割るというのがピッタリです。その際、ガラス表面に傷を入れるのに使用するのがガラスカッターです。ダイヤモンドカッターとオイルカッターの2種類存在し、それぞれ長所と短所があります。

ダイヤモンドカッターは、先端に工業用ダイヤモンドが埋め込まれています。先端をガラスに押し付け、手前に引くように傷を入れます。ガラスとの接点が小さいので、すこしの力で傷を入れることができますが、カッターを動かす角度が限定されていて、慣れるのに時間がかかります。また、ガラス表面に気泡や凹凸がある場合は、うまく傷を入れることができません。

オイルカッターは先端に固い金属のローラーがついています。このローラーをガラスに押し付け手前から奥に押し出すようにして傷を入れます。本体内部にカッティングオイルが入っていて、ローラー部に染み出す仕組みとなっています。ガラスとの接点が大きいので、気泡や凹凸があっても傷を入れることが容易です。ただし、蒸発などしてオイルが切れた状態のままだと、ローラー部にサビが発生しやすく傷を入れる性能も落ちてきます。


ランニングプライヤーについて

ランニングプライヤーランニングプライヤーの先端ステンドグラスを切り出しラインに沿って割ったところ

ガラスを切り出すのに用いる道具です。使い方は、ガラスの切断したいラインをガラスカッターで傷つけた後、そのラインをプライヤー先端の線に合わせてはさみ、軽く握るだけで切断できます。ガラスを挟む先端部分は凹凸が付いていて、ガラスを山折りにして割るイメージです。


マルトリンハンマーについて

マルトリンハンマーマルトリンハンマーのヘッド部分マルトリンハンマーの使用方法

ガラスを切り出すのに用いる小さいハンマーです。ヘッド部分は金属製で、円すい状にとがっています。
使い方は、ガラスの切断したいラインをガラスカッターで傷つけた後、反対側の面から傷のラインを軽くたたき、ひびを入れて切断しやすくします。主にガラスを曲線で切り出したいときに使います。


グラインダーについて

グラインダービットグラインダーの使用例

ガラスピースを整形する際につかうグラインダーです。ガラスの切断面のバリや、ガラスカッターで切り出すのには難しい曲線を整形できます。モーターで研磨材のついたビットを回し、ビットにガラスピースを押し付けて研磨・整形します。
ビットは使用しているうちに、研磨剤が取れて削れなくなるので、新しいものに取り換えます。


コパーホイルについて

コパーホイルコパーホイルの接着面

テープ状の銅箔です。片面に接着剤が付いていて、ステンドグラスピースの切断面に貼り付けます。コパーホイルを貼り付けたステンドグラスピースを並べて、はんだ付けをすることによりデザインを組み上げていきます。小さなガラスピース同士を組み付けることができるので、細かなデザインを仕上げるのに向いています。

粘着面の色は、銅、黒、銀の3種類あり、組み付け後のはんだ部を黒く染める場合(パテイーナ処理仕上げ)には、ブラックホイル(黒色)、鏡やクリアカラー系のものには、シルバーホイル(銀色)を使用します。銅色のテープは一般的なもので、どのようなものにでも使えます。
他には、片側が波型状のウエーブホイル、シート状のコパーシートがあります。テープ幅も数種類あり、ガラスの厚さや意匠の狙いで使い分けます。


ケイムについて

ケイムH字型ケイムU字型ケイム

ステンドグラスのピースを組み付ける際に使う鉛線のことを指し、建築用の大きなステンドグラスを組み付けるのに使用します。ケイム自体は非常にやわらかく、簡単に曲げたり切断できます。
ガラスピースを上の写真のようなH字型やU字型をしたケイムの溝にはめ、はんだでケイムを固定して組み付けていきます。ただし、はんだでの組み付けだけでは、ガラスピースとケイムに隙間があり強度もありません。隙間に、クッションとつなぎの役目でパテを充てんして、ガラスピースを固定することにより強度を出します。


はんだについて

ハンダハンダの断面

スズと鉛の合金です。直径5mm程の棒状のものを使用します。ステンドグラスで使われるはんだのスズと鉛の割合は、63:37、60:40、50:50などです。スズに比べ融点が高い鉛の割合が増えると溶けにくくなります。逆に、スズの割合が増えると価格が上がります。


はんだごてについて

はんだごてはんだごてのコテ先(ビット)

はんだを溶かすために使うはんだごてです。コテ先の形状はペン型やドライバー型など多種あり、用途や好みによって付け替えることができます。コテ先は使っているうちに表面が酸化され黒くなり、はんだがうまく流れなくなります。その場合、通電を止めて冷却後、ラバー砥石でコテ先を軽く削り、酸化被膜を取り除く必要があります。


フラックスについて

フラックスと筆

はんだ付けをする際に使用する透明の薬品です。筆で、はんだ付けをするコパーホイルに塗布します。コパーホイル表面の酸化膜や汚れを洗浄し、はんだの表面張力を低下させ流れを良くしてくれます。


パティーナについて

ブラックパティーナ

はんだやケイムの表面を銅色や黒くするに使います。銅色にするものをアンティークパティーナ、黒くするものをブラックパティーナといいます。毒性があるので換気に注意し、手袋や眼鏡などをして取り扱います。
パティーナを塗布する前に、金ブラシではんだやケイムの部分を磨きます。酸化膜や油脂が取れ、細かなキズができることにより、黒く染まりやすくなります。
筆や布でパティーナをこすり付ける様に塗布し、やわらかい布で余分なパティーナをふき取り、色を定着させます。


保護ワックスについて

保護ワックス

液状のワックスです。パティーナで付けた色の保護艶出しのために塗布します。