サンドブラストは1870年頃にアメリカで開発されて、もともとは船舶のサビ落としとして用いられていました。ガラス工芸に使用されるようになったのは最近のことです。
ガラス工芸としてのサンドブラストは、ガラス面に圧縮空気で細かい砂を吹付けて表面に細かい傷をつけます。ガラスの彫刻したいところを残してマスキングを行い、そこに圧縮空気で金剛砂を吹付けます。マスキングしていないところに砂があたって、文字や図柄が彫刻されます。
吹付けるエアーの圧力や金剛砂の粒子径、吹付ける時間によって彫刻部の深さを調節します。金剛砂も使っているうちに小さく(軽く)なっていきます。小さくなるとガラスを深く削りづらくなり作業効率が悪くなります。作業効率が悪くなったと感じたら、新しい金剛砂を混ぜて初期の状態に戻します。
作業は金剛砂やガラス粉が飛び散らないように、密閉された専用の装置内で行います。スリガラス状の仕上がりがフッ酸処理による腐食技法のガラスエッチングに似ていることから、サンドブラスト加工したものについても、ガラスエッチングとも呼ばれることがあります。
サンドブラスト加工で使う縦1.5m×横1mぐらいの箱状のキャビネットです。大きな板ガラスもサンドブラスト加工できるように、キャビネットの横に板ガラスを通すスリットと、板ガラスを支えるための格子状のフレームが付いています。
前面の扉には、作業中にキャビネット内部を見るための小窓と、扉を閉めたまま内部に手を入れて作業するための手袋が付いています。
前面の扉を開けたキャビネット内部です。この中でサンドブラスト加工を行います。下の部分に砂がたまっていて、それをエアーの圧力で吸い上げブラストガンから吐出してサンドブラスト加工を行います。加工中は砂や削られたガラス粉がキャビネット内を舞うため、キャビネット外にそれらが出ないように密閉系の装置となっています。
圧縮した空気を送り出すエアコンプレッサーです。発生した高圧のエアーは、ホースでサンドブラスト装置のキャビネット内にあるブラストガンに供給されます。
グラスなど小さなものをサンドブラストするときは1基で大丈夫ですが、建築用の大きなガラスをサンドブラストする際は、エアー量の不足が発生するので2基つなげて使用しています。
サンドブラストで削った細かなガラスや金剛砂を、キャビネット内から取り除く集じん機です。キャビネットからつながれているホースで集じんします。
サンドブラストガンです。本体は金属製で、先端ノズルはセラミック製です。
先端ノズルのすぐ横に研磨材として用いる金剛砂を吸い上げるホースと、グリップの下にコンプレッサーから送られてくるエアーを供給するホースがそれぞれつながっています。作業する際は、先端ノズルからエアーと金剛砂を吐出させてガラスを削ります。
使用する金剛砂です。彫刻する細かさや面積によって金剛砂の粒度を変えます。使用しているうちに粒が軽く(細かく)なり、作業効率が悪くなるので補充を行います。
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